年末調整の基本

年末調整とは?

年末調整とは、いわばサラリーマンの1年間の所得税の「精算」です。「サラリーマンの所得税は、月割りにした額が給与から天引き(源泉徴収)される仕組ですが、概ね少し多めに見積もられた額が天引きされています。そこで1年間(その年の1月から12月)の給与の総額が確定する12月に正確な所得税額を計算し直すのです」(望月さん)。

本来支払うべき正確な所得税額より、1年間に源泉徴収された額のほうが多ければ、差額分が12月の給与に上乗せされて戻ります。逆に源泉徴収額が正確な所得税額より少なかった場合は、差額が12月の給与から差し引かれます。これが年末調整です。

なお、現状の年末調整は勤務先と書類のやりとりが必要ですが、2020年から一部の手続が電子化され、手間が軽減されそうです。対象になるのは生命保険料控除、地震保険料控除、住宅ローン控除。これらの控除証明書について、データの送受信で手続が完了するようになる予定です。

年末調整で受けられる控除とは?

所得から差し引ける所得控除は配偶者控除、扶養控除など14種類あります。このうち11種類が年末調整で控除できます(図表1)。基礎控除と社会保険料控除は勤務先でやってくれるので、その他の控除について、該当しそうなものがあれば要件を確認しましょう。所得控除のほか、所得税から直接差し引ける税額控除というものもあり、その中の住宅ローン控除が年末調整で受けられます。主な控除について、次の項以降で見ていきましょう。

図表1 年末調整で受けられる所得控除は?(住宅ローン控除のみ税額控除)

控除の種類 どんな人が受けられる?
基礎控除 誰でも受けられる(勤務先がやってくれる)
社会保険料控除 誰でも受けられる(勤務先がやってくれる)
扶養控除 高校生、大学生の子供、老親を扶養している場合などに受けられる
配偶者控除 配偶者が専業主婦(夫)かパート労働者などで要件を満たす場合に受けられる
配偶者特別控除 配偶者がパート労働者などで要件を満たす場合に受けられる
勤労学生控除 納税者自身が勤労学生で要件を満たす場合に受けられる
寡婦(夫)控除 納税者自身が寡婦(夫)で要件を満たす場合に受けられる
障害者控除 納税者自身、同一生計の配偶者、扶養親族が所得税法上の障害者である場合に受けられる
生命保険料控除 生命保険に加入している場合に受けられる
地震保険料控除 地震保険、一部の損害保険に加入している場合に受けられる
小規模企業共済等掛金控除 iDeCoの掛金を9月までに納付した場合に受けられる
住宅ローン控除
(住宅借入金等特別控除)
住宅ローンを返済中で要件を満たす場合に受けられる

2018年の改正「配偶者控除」と「配偶者特別控除」

※以下は夫がサラリーマン(給与収入のみ)、妻が専業主婦かパートという前提です。

夫の年収が1,220万円超だと「配偶者控除」を受けられない

夫の年収に応じて配偶者控除額が異なるように

夫婦に給与以外の所得がある場合は注意

給与収入1,220万円以下なら、配偶者が要件を満たせば配偶者控除や配偶者特別控除が受けられるとお話ししてきました。1,220万円の給与収入を給与所得に直すと1,000万円。給与所得1,000万円以下なら配偶者控除と配偶者特別控除を受けられるということです。

ただし給与以外にも所得がある場合、他の所得も合算した合計所得金額が年1,000万円を超えると要件から外れ、配偶者控除や配偶者特別控除は受けられなくなります。他の所得として可能性があるのは、生命保険の満期保険金や解約返戻金などによる一時所得、アパート経営による不動産所得、相続した不動産を売却した場合などの譲渡所得、副業による雑所得などです。

こうした所得がある場合には確定申告をする必要があります。他の所得により合計所得金額が1,000万円を超えてしまうと、年末調整で受けた配偶者控除や配偶者特別控除は取り消され、税額を確定申告で精算することになります。配偶者にパート収入以外の所得があり、要件から外れる場合も同様の取扱となります。




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